休職15日目:ふしぎの国で暮らすこと

休職期間もついに折り返しになった。初日に立てた目標「やりたいことを見つける」については、まだまだ達成できそうな気配はないが、ぼんやりと掴めそうな気がしてきている。やはり私は自分で何かを作るのが好きだ。他人の需要を満たすことよりも、自分が満足できるものを作ってる時間のほうが満たされる。裁縫も、文章も、その他のことも。お金にならなくても、誰に喜ばれなくても、手を動かしてることが好きだ。飽きっぽいので一つのことが続かないのは難点だが。こうした心地よさを優先させた生き方ができるのか、それでこの先の人生やっていけるのかは分からないが、それは休職期間の後半の宿題にすればいい。

今日はDVDを借りて「ふしぎの国のアリス」を見た。クラシックアニメーションはやはり美しい。今まで何となくキャラクターやビジュアルのイメージしかなかったが、久しぶりに見たらとても大人向けな作品だったので驚いた。

アリスが迷い込む"ふしぎの国"には厄介な人や迷惑な人がたくさん出てきてアリスを困らせるのだが、なんだかファンタジーというより現実でも「あるある」と言ってしまいたくなるような感じなのだ。悩みを聞くよと言いながら自分の話ばかりしたり、断ってるのに宴会芸を見せてきたり、勝手に決めつけて陰口叩いたり、無意味な行列に並ばせようとしてきたり…でも何だかみんな悪い人ではなさそうなのも現実っぽいのだ。

主人公のアリスは叱られてるのに勉強をサボったり口答えしたりとまだまだ世間をナメているお子様だ。こんな彼女は空想ばかりし、好奇心のまま行動したらふしぎの国に迷い込んでしまい、困難に見舞われまくって挙句家に帰りたいと泣くことになる。つまり、将来的に"ふしぎの国"もとい現実社会で面倒臭いことに巻き込まれたり、変な人に絡まれたりしないよう、きちんと信頼できる人の言うことを聞き勉強をしてサバイブする力を身につけなさいね、ということなんだろうと思った。

私の生きている現実だって、チャランポランな人や何考えているのか分からない人、たまに意地悪だったり、気まぐれな人だらけだ。きっと私もその一人だ。でも、みんな別に極悪人じゃない。

"ふしぎな国"で迷子にならないように、私も自分のための道標を探さなくてはならない。